F2T (First Two Triples) : FTO解法

目次

前置き

ファーストセンターの次の目標は以下の図となります。白面の3つの角のうち2つの角周辺を埋めた、大きな台形の形を形成します。

このステップは 最初の2つのトリプル (First Two Triple)、略して F2T と呼ばれるのですが、トリプルとは何かというと、角の2箇所を埋めている トライアングル・コーナー・トライアングル 並びのパーツ群を指しています。以下の図では手前に白青赤のトリプルがあります。

F2T で作るトリプルは、以下の3つのうちどれか2つとなります。重要なのはファーストセンターの色とその側面の色なので、白、青、赤、紫 以外の色は考えなくて構いません。

F2T を揃える準備として、揃えたファーストセンターが BL面 にくるように持ち替えます。小台形を作る際にも少し触れましたが、この状態にすることで U, F, R, r(Rの2層回し) については自由に回せるので、これらの動きを使ってトリプルを形成し、コーナー2箇所に挿入していきます。

以下はU面のセンターをBL面に持ち替えた後、U, F, R, r を回してもセンターが崩れないことを示しています。

1つめのトライアングルとコーナーを接続する

トリプルを作るには、トライアングルを1つずつコーナーに接続していきます。

以下の状況で、R面の青トライアングルと右奥の白青紫コーナーを接続することを考えてみましょう。これは R' の1手で接続することができます。

以下の場合は、R の1手で右奥側で接続することができます。

以下の場合はどうでしょうか。これは U' を回すことにより、2つ前の例と同じ状況になるので、U' R' の2手で接続できることになります。

また以下の場合はどうでしょうか。左奥にある青トライアングルは、U' することでR面手前のちょうどいい位置に来ますが、単に U' するとコーナーも巻き込まれて移動していしまいます。なのでコーナーを R' で下に退避してみましょう。そうすると R' U' R の3手で接続できます。

以下の場合を考えてみます。コーナーの青面と青トライアングルが R面 の離れた位置にあるので、これを接続するのは難しそうに見えます。しかし発想を転換し、R' U R' としてみると、コーナーを一度下に退避することで、右奥側で接続することができます。

トライアングルが R面 にある場合も考えてみます。以下もちょっと難しそうに見えますが、実は R' U R の3手で接続することができます。

この場合は R' U' R' の3手で右奥側で接続することができます。

いかがでしょうか。立方体の多分割パズルとは異なる、FTO 独特の動きを味わうことができたのではないかと思います。この感覚が身についてくると楽しくなるので、ぜひ色々と回してみて試してください。

2つめのトライアングルを接続する

1つめのトライアングルとコーナーを接続したら、接続したトライアングルを R面 に持っていきましょう。右奥側で接続した場合は U を回します。

手前側で接続した場合 U' を回します。

こうすることで、R面 を回す限りはこのトライアングル・コーナーペアは崩れませんし、また一旦ペアを下側に退避すれば U面 も回すことができます。

あとは、コーナーの紫面と紫トライアングルを接続するだけです。作ったペアが崩れないよう注意しつつ、先ほど挙げたような動きを使って接続していきましょう。パーツが見当たらない場合は、R 方向への持ち替えや r 回しで探してみてください。(白センターが BL面 にある状態をキープしましょう)

ちなみにこの図ではちょうど紫トライアングルが D面 の手前右にあるので、実は R の動きで接続することができます。

トリプルのインサート

トリプルができたら、対応するセンターの角部分にインサートしましょう。今まで見ていた角度だとやや見にくいですが、以下の例では左下側に白紫青のトリプルが入ります。以下は見易いように「左上コーナーを軸に90度の持ち替え」をしています。これだと R' でインサートできることがわかるでしょう。

実際には持ち替えずに F' でインサートすればよいです。

以下の例では、白紫青トリプルは下手前ではなく、左奥側が挿入位置となります。この場合は U でインサートできます。

以下も左奥側が挿入位置なのですが、このまま U してしまうとトリプルが反転してインサートされた状態となります。この場合は r U' と2層回しを使うと正しくインサートできます。(BL F' とすることもできます)

F' すると反転してしまう場合は、BL' U のようにインサートしましょう。

ここまでのトリプル作成およびインサートをもう一度行えば、F2T の完成となります! おつかれさまでした。

補足: スキップを見逃さない

トリプル作成のために、トライアングルとコーナーを1つ1つ接続する方法を解説しましたが、実際のソルブでは 既にトライアングルとコーナーが接続されている 状態になっていることも割と多いです。細かいところですが、こういう小さなスキップを有効利用するとタイムが大きく短縮できるので、見逃すことのないようにしていきましょう。ファーストセンターを作っている時点で、このような「トリプルの素」があるかどうかを認識しておくことも大事です。