この記事は北村曉による Speedcubing Advent Calendar 2022 の8日目の記事です。7日目の記事はじゅうべいさんの「Icosamate ダイジェスト: J式で行こう」でした。9日目の記事はwajimajiさんの「RexCubeのスピード解法」です。
FTO のスピード解法については How to Solve an FTO (Bencisco Method) の動画に全てが載っていると言っても過言ではありません。英語での解説ですが、字幕で日本語の自動翻訳と合わせて観れば十分理解は可能かと思います。
…ではありますが、情報源が動画であるという状況は、ちょっとした情報を見返すのが難しくもあったりします。例えばコーナー3点交換の手順の回転記号はどうだったか、など。
また、FTO の解法を人に教える際に、回転記号や解法の流れなどの基本的な情報をまとめた文書があると便利だなと思ったことがありました。
そこで、Bencisco Method の動画を観る時、あるいは対面で解法を教える際に参照できるよう、基本的な情報(回転記号、パーツ名称、解法の流れ、必要最低限の手順)をまとめたチートシート的なものを作成してみました。
もしFTOスピード解法を覚えてみたいという方がいらっしゃいましたら、この文書と合わせて動画を参照などして頂ければと思います。
以下はメモ作成に関しての補足です。
Bencisco Method における回転記号は、U を白面とすると、頂点で接する赤の面が F、辺で接する緑の面が R ということになっています。この定義にのっとると、Second center および Last 2 centers (L2C) を揃える際には R, Rw, U を回すということになるので理に適った定義ではあるのですが、例えばコーナー交換の手順では F' U F' D' F U' F' D F' のように、F面を右手で(まるでR面かのように)回すような場合もあり、ちょっと混乱しがちなところでもあります。
これは、FTO では回転記号 F っていってるけど実際は R のように回す場合がある、ということで納得していくしかない気がします。FTOメモの手順では「どこがF面か」についても図に記載されていますので、それに注目しつつ手順を参照して頂ければと思います。
Bencisco Method では一色のみの三角形ピースを、その形状からトライアングル(triangle)と呼んでいます。おそらく立方体の多分割パズルに慣れているとつい「センター」と呼んでしまいがちになるかと思いますが、Bencisco Method における「センター」という言葉は別の意味(エッジ3つ、トライアングル3つで形成される面中央の六角形の組合せ)を示す用語となっています。
FTOメモでも Bencisco Method に従ってそのまま「トライアングル」として記載していますので、その点ご留意頂ければと思います。
なおセンターを2分割した状態の large trapezoid, small trapezoid という用語については、分かりやすさを優先して「大台形、小台形」と記載しています。
Bencisco Method の動画の情報とは別に、自分が個人的に使っているコーナー交換手順を「別の交換手順」としてFTOメモに記載しています。
※リンク先で Twitter に載せた動画が見れます。
この手順は、Fを右手で回すと交換されるコーナー3点がL面側、つまり正面に近い側に位置するため、視認しやすいと思います。よろしければご利用頂ければ幸いです。
…そのうち作れたらいいなと思っております。