Master FTO を目隠しで解く(Master FTO BLD)

この記事は北村曉(@kits_)によるSpeedcubing Advent Calendar 2023 8日目の記事です。7日の記事はじゅうべえさんの ラッチキューブ ダイジェスト でした。9日の記事は平井さんの メガミンクス 上達法 完全版 です。

前書き

ほぼ2年前に Master FTO の目隠し解法について取り組んでおり、実際に2021年12月25日に達成していました。

成功して特に記事にもせずそのままになっていたのですが、そろそろ忘れないうちに解法について文書化しておこうと思った次第です。なお FTO の目隠し解法 を理解していることを前提とした記事となっているため、その点ご了承の程お願い致します。

Master FTO の配色について

一般に販売されている FTO は LanLan 製、Master FTO は mf8 製とメーカーが異なるため、配色にも多少の差異があります。

自分が Master FTO BLD を行った際は、白上・青正面 の向きとしていたので、本記事でも基本的にその向きで説明していきます。

[mf8 Master FTO 白上・青正面]

なお記事中では説明のため以下のような Twizzle Explorer による図を掲載しますが、こちらは LanLan FTO の配色となっているため、実際の mf8 Master FTO とは配色が異なることにご注意ください。

[Twizzle Explorer による Master FTO 画像]

向きの決定

BLD 分析を行う前段階として、パズルの向きを決定する必要があります。

Master FTO は(FTOと異なり)面の中心、回転軸となる箇所に三角形(1色)のパーツがありますが、注意すべき点として、3x3x3 のような立方体パズルとは異なり、Master FTO の中心パーツの位置関係は 固定ではない という性質があります。

ただし完全に自由移動が可能というわけではなく、上面(U)および背面(B)の中心パーツ(以降、センタートライアングルと呼びます)を基準に向きを決定することで、R面、L面のセンタートライアングルも正しい位置となります。この時他の4面(F, D, BR, BL)のセンタートライアングルの位置関係は、以下の3通りがあります。

便宜上、以下のようなナンバリングを使っていました。例えば F, BL, BR の3点交換だった場合は「あかた」、FとD・BRとBLでの2点交換2組だった場合は「あさ、かた」のようにして覚えればいいでしょう。

[センタートライアングル ナンバリング]

実行順としては、センタートライアングルの解決は一番最後に行うので、手順については後ほど説明します。

エッジトライアングル手順

[エッジトライアングル]

上図で示した、エッジの中央に頂点で接するトライアングルパーツのことを、本記事では「エッジトライアングル」と呼びます。このパーツは、センタートライアングルと共に Master FTO にて新しく出現するパーツとなります。とは言え、手順としてはそこまで難しいことはありません。

Fl - BRf - BLu の交換: [Rw U Rw', Us]

[Fl - BRf - BLu の交換]

Fl - BRf - Dl の交換: [Rw U' Rw', Us]

[Fl - BRf - Dl の交換]

Fl をバッファとし、この2手順を覚えていれば、あとはセットアップでどうにか解決できるでしょう。一応ナンバリング例も掲載しておきます。

[エッジトライアングル ナンバリング]

なお「F面を含む3点交換」が必要になる場合は、R で Fr を BRf に、U で Fu を BLu にといったセットアップが有用です。

(以下記載中)