漢字の筆順というものは、大人になるとどうでもよくなってしまうものだが、小学生くらいのときには色々と細かく教えられていたような気がする。やれ「右」は斜めから書き始めるだの、「左」は上の横棒から書き始めるだの、「飛」や「必」の、普通じゃ考えられないようなややこしい書き方を一生懸命覚えていたものだ。
小学校の国語の教科書では筆順を詳しく解説してくれるが、中学校の教科書ではそんなものは載っていない。「今まで覚えてきた筆順の原則をもとに書きなさい」ということだと思うが、でもそんな原則など当てはめることができないような字も、常用漢字の中にさえあるではないか。それが「凸」「凹」「卍」だ。
漢字であることさえ疑われがちなこれらの文字。実際に書くときは「凸」「凹」は一筆書きで、「卍」は二画で書いてしまう人も多いと思われる。しかしここでは敢えて、「正式な筆順」を推測してみようと思う。
推測の根拠にしたのは、辞書に於いての分類だ。「凸」「凹」を漢和辞典で調べてみると、どちらも「凵部三画」となっている。「凶」「函」の例から、「凵」は最後に書かれると思われる。で、残りの部分をどうやって三画で書くかだが……
というわけで、このように推測してみた。
「左から右、上から下」という筆順の原則から、「右下右」と繋がる部分を一画と考えるのが妥当だろう。
で、あと残りの「卍」である。ときに、貴方はこの漢字の部首は何だと思われるだろうか? 何と「十部四画」なのだ。てっきり「一部」あたりの無難なところだろうと思っていたので、まさかど真ん中の部分が部首になるとは思ってもみなかった。
ということは、筆順は……
となるのだろうか? はてさて。
(1998年1月16日)
その後、「凸」「凹」「卍」の筆順について読者の方から情報頂きました。筆者の予想よりはこちらの方がより信頼性が高いでしょう。