序文

いきなりで何ではありますが、漢字が好きです。

果たして自分の「漢字好き」な部分は日常のどのような行動に現れるかといいますと、例えば用もないのに漢和辞典をパラパラとめくり、変な形の漢字を見つけては喜んでみたり、また「読めそうで読めない漢字」などというような題名の漢字の蘊蓄本を買って日々漢字知識を仕入れていたりします。以前は此の様に自分之文章に無闇矢鱈と漢字を使い勝ちではありましたが、さいきんではようやくおさまりつつあります。

たまに漢和辞典を当てもなく眺めたりしていると、普段の生活ではまず知ることのないような、漢字についての面白い事実を発見することもあります。

例えば女偏に弟([女弟])と書いて「いもうと」という意味の字だということとか、「ほうふつ」という言葉は「髣髴・彷彿・[イ方]佛(仏)」の三通りの書き方があることとか、その他色々。

自分の持っている辞典では飽き足らず、図書館などに行って「大漢和辭典」を読んでみたりもします。そこには中国四千年の歴史が生み出した約五万もの漢字が記されており、漢字好きな者にとってはまさにバイブルといる辞書であります。いつの日かこの辞典を手にいれたいものです。

話が逸れたましたが、このようにして自分が知った、普段では見ないような変な漢字や、またよく見かける漢字ではあっても、あまり知られていない意味を秘めた漢字をここで紹介してみたいと思います。漢字という言語の不思議さを楽しんで頂ければ幸いであります。

以下は主な参考資料です。

漢字遊び(講談社現代新書)
 漢字の蘊蓄本。題名通り、漢字の持つ面白さを様々な面から追求しています。北村の漢字探索のルーツとも言える本。
新明解漢和辞典(三省堂)
 普段常用している漢和辞典です。同訓異義表、世界主要地名漢字表現法、西洋人名漢字表現法、 人名漢字読み方一覧表など、付録が充実しています。
大漢和辭典(大修館書店)
 総字数五万弱の漢字を収めた世界最大の漢和辞典。その量も広辞苑くらいのサイズの本が十二冊(その他索引等の別冊が三冊)と巨大。漢字を究めるには無くてはならない辞書であるといえましょう。図書館には大抵置いてあると思います。値段は今だと二十四万円。未だ手に入れておらず。

(1997年11月14日、2001年1月14日加筆)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net