とつぜん、「ロリス」のことが気になった。
ロリス――その動物についてはTVでちらりと見て得た程度の知識しか持っていないが、果たしてあやつは何の仲間なのだろう。形状が似ている動物を考えてみるとコアラが思い浮かぶが、有袋類であればもっとメジャーになってもよさそうであり。とすると何だろう、ちと太りぎみの猿であろうか。しかし語尾は「リス」だし。そうそうその「ロリス」という語は、いったい外来語であるのか、あにはからんや呂の栗鼠を意味する日本語だったりするのか。はたまたロリスの代表的な種に「スローロリス」というのがいるが、そうなると当然「ファストロリス」がいたりするのか。そしてそいつはどれだけ速いというのか――と、そういった疑問が涌き出たのであります。
というわけで例によって広辞苑を引き、おおむね疑問は解消されたものの、その前後の言葉になんとなく目が止まる。
- ろり【露里】
- ロシアの道程の単位。一〇六六メートルにあたる。
- ろりめ-く
- 恐怖・心配などのために落ち着かず、興奮する。
- ろり-ろり
- 恐怖・心配などのために落ち着かず、興奮しているさま。
せっかく覚えたのであるけれども、現代日本で使うとなると大いなる誤解を与えてしまいそうな言葉であることよのう(むりやり詠嘆)。
ところで広辞苑第二版には、その響きから想起されうる、かのナボコフの小説がもととなった外来語は載っていなかった。もしその言葉が広辞苑に載るとすると、上記の言葉の処遇も問われたりするのだろうか。
ちなみにロリスはオランダ語・英語で、日本語では「道化猿」になり、スレンダー・ロリス、スロー・ロリスなどの種類があるとのこと。
(2001年3月1日/加筆8月27日)