十箇月にわたり(そのわりには量が少ないですが)更新してきた「篆書でGO!」も、これにて手持ちのネタは一応提示し終えました。また調べてみて新たな発見があれば更新したいと思います。では残り三字十九書体をどうぞ。
fig16.1 fig16.2 |
いきなりそのまんまなやつを。体に標的らしき模様が描かれているところが如何にも犠(イケニエ)っぽいですね。これから矢でも打ちこまれるのか、と思うとちょっと可哀相ではあります。それはともかくfig16.1のつぶらな瞳がラブリー。 体の模様が的だというのは北村の勝手な解釈です。念のため。 |
fig16.3 fig16.4 |
この二つはまた変わった形態ですね。雪上歩行に適していると思われます。 |
fig16.5 | 走っているようです。イケニエにはされたくないとばかりに。 |
fig16.6 | 左右どちらを頭と言っても通ってしまいそう。 |
fig16.7 | 白くて毛が二本(もはや何と言ってよいやら)。 |
fig16.8 | この項はあまりに写実的?な字体ばかりなので、まともな字体もひとつ挙げておきます。そうそう犠って牛へんに義と書くんだった。(旧字は牛へんに羲(犧)です) |
fig17.1 fig17.2 fig17.3 |
たてぼうの数は、けっこういい加減です。 |
fig17.4 | ひとつへんな字体がありました。なぜけものがいるんでしょう? 色々考えた結果「冊に木へんをつけると『柵』になる」ということに思い当たると納得できなくもないような気がしますが、それにしても何で腹から冊が? 遠近法でしょうか。 |
fig18.1 fig18.2 |
龜(亀の旧字体)はどうしてこんなヤヤコシイ字体なのだろう、というのはかねがね疑問だったのですが、こうして書かれてみると「あ、右の四角い部分が甲羅で左に二本出ているのは足なのか」と妙に納得しました。この解釈で正しいかどうかは不明ですが。 左に90度傾けてみると更に分かりやすくなることでしょう。 |
fig18.3 fig18.4 |
甲羅だけです。これはこれで分かりやすいですね。 |
fig18.5 fig18.6 fig18.7 |
もちろん甲羅だけでなく手足もついた「これぞ龜」という字体もあります。しかしfig18.5はともかくあとの二つは尻尾が長かったり手足が長かったり、昔の人のデッサン力にやや疑問を感じます。……はっ! もしや古代中国にはこのような龜が存在していたのでは!?(ト毎度おなじみのヒキにてこの項をシメます。) |
(2000年2月13日)
北村曉 kits@akatsukinishisu.net