「"Internet Explorer" でも、"Netscape Navigator" でも、エクスプローラでも、『進む』のアイコンは右矢印だし『戻る』は左矢印で共通しているのね。どうして?」
各ソフトが同一の操作に対して異なる記号を割り当てるのはユーザを混乱させる源となる、だからそれらは似たアイコンを使用することでユーザの利便を図っているのだ……と答えようとして、それでは母の質問に対して何ら答えになっていないことに気づく。彼女はなぜ「進む」が右矢印でなければならないのか、なぜ右なのかを訊いているのです。
そういえば、Acrobat Readerで縦書きの文章を読むときに、頁を読む目の流れは右から左だったというのに、次の頁へ読み進むためには右矢印ボタンを押さねばならぬことを理不尽に思ったことがあります。
ことはアプリケーション単体でなんとかなる問題でもなく、OS(のGUI)もほとんどが右→左の横書き主体になっている以上、一部の言語圏の方達にとっては理不尽な事態が今後も続くことになってしまわざるを得ないのでありましょう。
「例えば戻る・進むが上下の矢印であれば、縦書きでも横書きでも下に読み進めるから同じになるのでは」とも思ってみましたが、上下はスクロールの方向でもあるから、それとハイパーリンクを辿るのとは別の方向(つまりは直角方向)にたとえなくては都合がわるくなるし……と考えて、以前「ノートパソコンのNN4に縦書きフォント表示の設定をして、寝っ転がって読む」ということをしてみて、けっこう普通に読めたのを思い出しました。その時の状況:つまり右→左が読む方向、上→下が戻る・進むとなっているのは、それはそれで整合性があるような気がします。
パソコン画面での閲覧ではすでに
というか、三次元映像にするならいっそのこと本にしてしまうのはどうだろう。普通に頁めくって読めるのだけど、リンクを指で押したりすれば次のページから別の文書に変わっていたりとか、履歴を辿るのでも「昨日の晩に読んだところは……えーとこのくらいか」とフィーリングで頁をパラパラとめくって検索できたり、とか。
やあ、想像してみるとそんなバーチャルな本、ぜひとも読んでみたくなりましたよ。自分の頭にとってはやはり現物のメタファにまさる閲覧方法はないのかもしれませんです。
(2001年10月19日)
北村曉 kits@akatsukinishisu.net