ない

おぼつきません 変換できない時、気づくように

9月5日の松風 - 今の言葉より引用。実のところ「おぼつきません」が誤用という認識を今まで持っていなかったので、どのあたりが間違いなのかとgooの大辞林で確認。おぼつかないの項より引用(強調筆者):

〔古くは「おほつかなし」と清音。「ない」は接尾語。「おほ」は、はっきりしていないさまを表し、[二](1)が原義。「覚束無い」は当て字〕

で、さらに接尾語の「ない」をひいてみると:

な・い
(接尾)〔形容詞型活用([文]ク な・し)〕性質・状態を表す語(形容詞・形容動詞の語幹など)に付いて形容詞をつくり、程度のはなはだしい意を表す。「切―・い」「せわし―・い」

ああ、「ない」にはそのような意味もあったのか。言われてみれば確かに「せつに」と「切ない」は意味的には同じ様なもので、後者が前者の否定ということはない。それなら「おぼつかない」を「おぼ」と「つかない」とに分けて考えて「つかない」の部分を「つきません」と言い換えるのはおかしい……とここでようやく理解に至りました。

日本語について知らないことはまだまだ沢山あるなと、改めて実感。

* * *

sappariさん本人からのツッコミを受け、訂正(訂正前には「『おぼつかない』の『ない』を『ありません』に言い換えるのはおかしい」と書いてました。)。「理解したのか」と言われると、「おぼ」と「ない」はいいとして、「つか」は果たして何なのかよく分からず、不安ではあります。

(2002年9月7日)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net