感想の転載について

短編の掲示板にて、宇加谷さんが自作品への感想を自サイト内に掲載した、という報告(記事955)をし、それに対して自分は、リンクしたり引用するのはよいとしても転載するのであれば書いた方の許可を得てからの方がよいのでは、といったことを述べてました(記事958)。

で、多分それに関連してだと思うのですが、瑕瑾さん第18期の感想の中で:

一方で、ド素人がド素人向けに書いたド下手な感想文をチョト転載した程度の話で著作権だ何だというようなバカな話も出ている。著作権などというものは(多分だけど)商法の話であり文学とは関係ない。同好の志の集まりの中で、集った者同士のやり取りとしてホームページにちょっと転載と明記して転載してくれたぐらいで、一体どこのどなたが迷惑するというのか経済的損失を蒙るというのか。

と述べられていたので、改めてちょっと考えてみました。

実際のところ、「自分の書いたものを他の人に扱われた場合にどう感じるか」というのは人によって様々です。例えば許可無くリンクされたことで不快に感じる人がいる一方、リンクしても転載しても全然構わない、という人もいたりするわけで。

最も安全な策を取るならば、「どんな場合でも他の人の書いたものを扱う場合は、問合せて許可を得るようにする」ということになると思いますが、それもまた手間がかかる話であり、却って意見交換を阻害することになるでしょう。なので、バランス的にも丁度良さそうであり、誰もが納得できる判断基準として法律であるところの著作権法というのがあるわけで、それに基いて判断するのが妥当かと思いました。

で、あくまで「一般的な話として」提示したまでで、実際宇加谷さんが北村の提示した意見を採るか、それとも「アマチュア同士の意見交換だからそれほど堅苦しく考えることもない」と判断するかは宇加谷さんが決めることであり、自分はそれ以上のことを述べるつもりはありませんでした。

不特定多数の方の作品を扱う立場としては、後者のような判断はなるべくしないでおこうとは思いますが。

というわけで、別に商業的な話を持ち出したつもりは自分にもなかったです。というか著作権法は別に商業利用のためだけのものではないと思います。

(2004年2月9日、2月10日に修正)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net