「短編」第12期を振り返る

短編も第12期を終え、漸く一年が経ったなという実感が湧いてます。今回は予選通過者ランキングに大きな変動が出ていて興味深いところ。

驚異の予選通過率を持つ逢澤透明さんは今期で予選通過作品を6作とし、本ランキングで単独1位に浮上。優勝作品が無いことから一部で「無冠の帝王」との呼称もありますが、今回で正にその名に相応しい成績となったと言えましょう。自分が投稿者だったらそんなポジションになってみたいもの、などと密かに憧れたりしています。

12期優勝の川島ケイさんも、予選通過作品を4作とし3位に浮上。川島さんは予選を1位で通過しながら決勝で敗れるということが過去に2度ありましたが、今期では2位に大きく差をつけ優勝となりました。おめでとう! また3位とは言え、その(予選通過作の)得票数では2位の紺詠志氏に並んでいます。

川島さんについて、決勝投票の感想で、次は違う作風のものを期待したいといった意見が2つほど見られたのですが、自分はやや意見を異にします。実のところ川島さんの作風は自分には必ずしも直球ストライクではないのですが、1000字という制限内で様々なジャンルが錯綜する「短編」にあって、あの独自の作風があるからこそ面白いと思うのであり、今の作風で更に磨きをかけていっても全然問題無いのではないかと。とは言え別の方向に進むのも(良い作品となれば)それはそれで構わないのであり、要は作者が伝えたいものを書いていけばいいのではと思う次第(←何だか無難な意見になってるような)。

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その他「短編」の動向を知りたい方には短編潮流をご紹介。トト短編など、野郎海松さんの活動には運営者として頭が下がる思いです。

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ところで既に第13期も始まっているので、良かったら読んでいって下さい。発表日(26日)だったのをすっかり忘れておりました……。当日中とは言え発表が夕方になってしまったのは不覚。

ページ移転作業もあり、「短編」関連で篆書バナー作成依頼も幾つかあり、今後少々忙しくなりそうであります。

(2003年8月27日)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net