世間は東京ディズニーシーが話題であるようだが、それより向ヶ丘遊園閉園の報は小田急線沿線の川崎市民として大いなる衝撃であった。思えば高校の頃、友人と夏はプールに、冬はスケートをしに時々訪れたものだった。……と、よくよく考えてみると自分は向ヶ丘遊園にはプールとスケートリンクにしか行ってなかった。しかもそれらは夏プールだったところが冬にはスケートリンクになるのであり、つまるところ広い遊園地の中のたった一箇所にしかいっていないということだ。なんたることだ。
何か他に向ヶ丘遊園についての記憶はなかったっけか。ええとええと、そうだ、大きな花時計があった。って遊園地の目玉としては地味だろうか。すぐ近くのよみうりランドには「立ち乗りコースター」という目玉があるというのに。←それも今どきどうか。
そもそも、二つの遊園地がたった二駅というごく近い距離で今まで共存していたというのも、稀有なことではないだろうか。子供の時分に初めて川崎に来たときにも不思議に思ったものだが。
ところで閉園したあとの土地はどう利用されるのだろう。つらつら考えてみるに「表向きは閉鎖されているんだけれど、実はこっそり中に入れる」ようにしてみてはどうか、と思う。逆説的ではあるが、「閉鎖された遊園地」というものにはある種の人を惹きつける魅力があるような気がする。もしそんなんだったら夜にこっそり入ってみたいものだなあ。
……全くとりとめなく書きましたが、なにはともあれ向ヶ丘遊園の閉園が惜しまれます。閉園前に一度くらい行っておこうかな。
(2001年9月29日)
北村曉 kits@akatsukinishisu.net