かね

(4月末頃に書かれていたメモより)

すやすやと夕方まで寝ていたら胃が痛くなってました。空腹によりかってに湧き出した胃液に胃壁が侵されたようです。体め余計なことを。いたたた。

長く寝ていた所為か、へんな夢を見ました。数年前に米国へ旅行したことがあったのですが(これは本当)、その折に一時軍隊に所属していたことになっており(これは夢のはなし)、さらに滞在中に何かの懸賞で自動車を当てていたことになって(これも夢)いました。で、

という、夢から覚めて考えてみると全くよく分からない理屈によって発生した税金が数年間たまっており、その金額しめて170万円強に愕然とする、という内容でした。なぜかその税金のことをコンビニで買い物をした時に知らされたのです。たしか電子マネー(詳細不明)で支払おうとしたところ、これこれの理由で現在差し止められています、とか店員に言われていた、ような。

なにぶん夢なもので話がめちゃくちゃなのですが、ともかくも金の力さえあれば都市の片隅で細々と暮らす人ひとりなど簡単におとしいれられるのだなあ、と目が覚めてみてもぞっとしたものでありました。

お金については前から思うことがありまして、例えば自分は現在海や山の近くなどでない住宅地に住んでおり、普段していることといえば作物を育てたり魚をとったりなど生産的なことは何もせず、本を読んだり電気を存分に使ったりといった消費的活動しかしていないのですが、それでもそんな活動の一部をお金に変えることにより、どうにか暮らせております。有難い世の中です。

それもこの世に貨幣経済があり、食物だけでなく生命活動に直接関係の無い物質、また知識やサービスという無形のものまでもお金と交換できるシステムがある御陰であり、さらには実現するかはやってみないと分からないような事業にまで投資する人がいたりして、そんな経済活動の結果、人は高層ビルを建てたり、大きな飛行機を飛ばしたり、ロケットで宇宙に行ったりできるようになったのだ、と考えてみると、お金の力とは何と凄いものかと思うのです。

貨幣の形態も硬貨や紙幣といった物質から、ネットワークの発達により今後はクレジットカードのような無形の情報に移行していきそうにも思われ、そのように変化したお金は人に何をもたらすのだろうか、などといつになく壮大な問いかけをしてみたものの、大したことを思いつかないのでこれにて。

(2001年7月17日)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net