2002年8月分。
いつ発表されるかと気長に待っていたXHTML 2.0 W3C Working Draft 5 August 2002がついに出たので、英語はよく分からぬまでもつらつらと眺めてみました。主な概要はsatoshiiさんとこを参照のこと。
The XHTML Familyでの概要を見たときには要素型は従来のHTMLとはすっかり変わってしまうものかと思っていたのですが、いざ蓋を開けてみると新しい要素を導入しながらも従来の要素も残されており、少し安心。W3Cの後方互換性を重視する姿勢には頭が下がります。
個人的に注目してたのはbr要素を置き換えるline要素。小説のような散文については段落途中での改行が必要と感じることも多々あるのですが、これがあれば心置きなく文を行ごとにマークアップできるというもの。しかしブラウザへの実装が進まないことには導入は難しいような。Mozillaだったらline {display:block}
とすればよいかな。
q要素がなくなってquote要素になり、引用符はブラウザによる自動付加から直書きするよう変更……というのは、今までq要素の解釈や対処につとめてきたことを思うとハラホロヒレハレとなってしまうのですが、でも古いブラウザでの表示を考えると、引用符は直書きされてた方が良いと思うので、結論としては賛成。
新しく追加されたnl要素にはやはり目を惹かれました。neme要素内容がselectされるとli要素内容がdisplayされる(←詳細は仕様書参照のこと)、というのは現状のナビゲーションリストでも時折見かけるような機構ですが、そんな動的な機構がHTML要素として導入されるというのは意外や意外。スタイルとしてはどういう定義になるのだろう、と余計なことを気にかけてみたり。
Common Attribute CollectionにHypertext Attribute Collectionが追加され……要するにたいていの要素にhref属性がつけられるようになった、というのは便利そうです。ブラウザへの実装が待たれるところ。
(2002年8月7日)
近所の1000円ショップで見つけたTシャツ。
ヤンキースだから「
(2002年8月11日)
今も細々と更新しているCSS関係者に37の質問の回答者リンクですが、hossy onlineにて質問が三つ追加されたので、それへの回答も追加しました。
自分の回答は以下の通り。
- 1.
XHTML1.1 で frameset が無くなったことについてどう思いますか?- 特定のページにブックマークできない、リンクのtarget属性を適切に設定するのが難しい(そして多くのページでそれがされていない)など、フレームは作る側にとっても見る側にとっても不便が多いので、なくても問題ないです。XHTMLでフレームを使うのであれば、XHTML 1.0 Framesetを使えばよいかと。
- 2.
あなたは技術者さん(道具を知る方)とデザイナーさん(センスに任せて道具を使う方)のどちらだと思いますか?- どちらでもなく、基本的にはコンテンツ製作者と思っています。技術やスタイルデザインは、サイトを便利に使えるように、また読み易さを損なわない程度に、自分のできる範囲で学んで使っています。ウェブ関連の技術には実のところ興味津々であり、メインコンテンツの更新頻度は低下の一途を辿っていますが、一応たてまえ上はそういうつもりで。
- 3.
CSSでのレイアウト、今のところ技術者さんとデザイナーさんのどちらが巧いと思いますか?- 独創的で恰好いいスタイルを作るのは、やはり絵画的素養のある人に多いと思います。技術寄りなサイトでは似た感じのスタイルになりがちですが、それが却って見易いという効果もあると思います。でも個人ウェブサイトにおいては、技術者とデザイナーという区分けはあまり意味がないような気もします。どちらにも秀でた人も多いような。
(2002年8月17日)
最近はこちらの方にかかりきりになってしまってますが、とにもかくにも1000文字小説対戦サイト: 短編の第1期参加作品が出揃いました。読んでみてくださいませ。
スタイルシート切り返えスクリプトはさくらどおりのものを使わせて頂きました。……と、何故かこちらで書いてみたり。しかしスタイルはもう少し何とかしたいところではあります。
(2002年8月20日)
おしぼりの復活についてを見かけて(俺ぽーたるの8月22日より)。
「おしぼりの復活」という言葉には、何となく文学的な匂いが感じられた。村上春樹の初期の小説とかに出てきそうな気はしないでしょうか。しないですか。
分析してみると「復活」という言葉からは荘厳な、或いは宗教的な、というようなやや大仰なイメージを受けるのだが、それが日常よく目にする「おしぼり」と組み合わされることの違和感か。いや寧ろ、「日常の中にも、こんな大切なものがあったのか!」という再発見であるのかも知れない。
おしぼりの復活。今一度この言葉を噛み締めてみる。……誠に歓迎すべき出来事と言えよう。
何か他にも「〜の復活」でいい組み合わせの言葉があるかも、と考えてみる。安易に古いものを持ってくると、単なるリサイクルになってしまうところがミソだ。
や、最後のはただの充電であった。
(2002年8月23日)
「短編」の掲示板にはNetwork BBS (N-BBS)を使用しています。以前にどこかで見かけて高機能であることを覚えていて、自分でもいつか使ってみたいと思っていたのでした。使ってみるとやはり便利であります。が、HTMLがいささか古い書き方であったのでCSSを適用するには向かないようでした。
for504new.patch.gzというパッチを適用することにより問題点が解決され、CSSが導入されるのですが、見た感じHTMLとCSSに関してはあまり良くなっていない模様。
そんなわけで、N-BBSをXHTML 1.0化してみることをここ最近ちょこちょこと試しておりました。「HTMLとしてStrict」とは言えぬまでも、Validになるようにはしたつもり。Cygwin環境とLinux(「短編」のサーバ)では動作しているようです。
ところで、N-BBSはC言語で書かれているのですが、おそろしいことに自分はC言語については殆ど素人でありました。ソースを見てprintfでHTMLを出力しているな、というのは分かったのでやったことはその中身を変えたくらい(Perlを学ぶきっかけもそんな感じだったような)のつもりなのですが、或いは無知故になにかまずいことをしている可能性もあるかもしれず。
……という者の作ったものだという前置きをしつつ、パッチを置いてみます。使用は、自己責任においてご自由に。
nbbs504-xhtml.patch.gz: N-BBS v5.04(nbbs504.tar.gz)用のパッチ。for504new.patch.gzでの変更も吸収しつつ、XHTML化したもの。
(2002年8月25日)