2001年8月分。
ひさしぶりに電車で出かけようとしたところ、朝だというのに駅前の映画館には長い行列ができていた。嗚呼、夏休みであったのですな。自分も「千と千尋の神隠し」見たいなあ。
帰りには多摩川で花火を上げていたのが見えた。電車が来てももう少し見ていたい気分。
ところで電車で出かけると、バイクに乗るときよりもさらに汗をかいた気がする。風に吹かれているかいないかの差だろうか。やっぱりもうしばらくはバイクにしとこうかな。
(2001年8月1日)
世界陸上を見て過ごす休暇。
ふと、女子の選手はセパレートな服装が多いことに気付く。あの服装には競技上で何か利点があるのだろうか。空気抵抗……はあまり関係なさそうな気がするけど。
もしそうだったら男子選手も真似してもよさそうなものだが、そんな人は特に見当たらない。まあ、男のへそ出しスタイルなぞは誰も見たくないのかもしれないが、だったらパンイチで参加する人がいてもよいような気もするぞ。
どうも自分の中にはスポーツの服装に関して相反する感情があるようで、必要もないのにセクシーさ?をアピールするような服装は「競技自体のおもしろさ」を楽しむのにはじゃまではないかと思うのだが、いかがだろうか。同じようなことは女子テニスを見ていても思う。いったいどういう経緯であんな服装になったのだろう?
もちろんそういう服装を見るのもいい、と考える自分もいるわけで、だからこそ相反する感情になるのだが。選手自身が気にならないなら、見てるだけの自分がそんなに気にすることもないとも思うのだけれど。
(2001年8月8日)
しばらく前から、小説投稿バトルサイトであるところのQBOOKSのスタッフとなっております。こちらをご覧の方で創作に興味のある方がどのくらいおられるか分かりませんが、現在スペシャルなイベントとして6000字小説バトル(賞品に図書券)、新世紀小説バトル(優勝作品は雑誌掲載)にて投稿募集中ですので、よかったら見ていってくださいませ。ちなみに私は6000字小説バトルの担当をしてます。
本日は6000字の頁のレイアウトをつくっていました。ついつい力が入ってしまい、自分とこのサイト更新がおろそかになっております(←いいわけ)。
(2001年8月8日)
近所の映画館にて『千と千尋の神隠し』をレイトショーで観る。面白かったです。
観ている間面白かったのは確かなのだが、観終わってみると別の感情も浮かんでくる。何というか、納得のいかないとでもいうべきか。それほどに否定的ではないにしろ、心に引っかかるもの。
どこかのウェブページでもみかけたのだが、説明の少ない物語ではある。主人公の千尋は特に理由もなく突然に異世界へ引き込まれる。そしてあれだけの幻想(どれだけか、は観てのお楽しみ)を体験したというのに、望んでいたこととはいえまた突然に現実世界へと帰ることとなる。異世界での出来事は現実とは断絶され、千尋の頭の中にしか存在しないのと等価になる。
それはまるで、かつての宮崎作品、『ナウシカ』や『ラピュタ』などをTVで観て、物語世界にどっぷりと浸り、放送が終わった後、物語世界は完結しているのに観ていた自身は現実世界へ取り残され、途方に暮れていたむかしの自分、をメタな視点で観ているかのような。そう思うと、千尋はこの先現実世界で大丈夫だろうか、といらぬ心配が浮かび、ちょっと考え込んでしまうのだった。
かつて宮崎作品を楽しんだ大多数の人がそうであるように、千尋も現実世界でどうにかやっていくのであろう。しかしあの幻想世界を体験するのとしないのでは、その後の人生も変わると思う。果たしてどちらがよかったのか。ひるがえって、物語をみる/よむことで人はどのように変わるのか、それはその者にとっていいことなのだろうか……というところまで思考は及ぶ。結論は出ない。
風呂宿の名前が「油屋」というのがしゃれていて面白いと思ったのだが、調べてみると実際に「油屋」という屋号をもつ温泉宿も幾つかありました。
どれも「ゆや」ではなく「あぶらや」でありますね。してみると「湯」と「油」のしゃれかと思ったのは早計だったか。
漢和辞典でも、「油」の字が「湯」の意味で使われた例はないようだ(よく考えたら「油(ユ)」は音で「湯(ゆ)」は訓なのだから漢語での用例がないのは当たり前であった)。ちなみに「油」はもとは川の名だったとのこと。
(2001年8月11日)
IEはすでに<ruby>でルビ表示ができるというのに、自分の常用ブラウザであるところのMozillaはいつになったら対応するのだろう……とのんきに対応されるのを待っていたのですが、あるとき「そういえばMozillaの表示は全てスタイルシートで定義されているのだから、ユーザスタイルシートでなんとかすればルビ風に表示することもできるのでは?」と思いつきました。
いろいろと試行錯誤してみた末、以下のようなスタイルシートを作成。(指摘を受けて修正しました……Netscape6/Mozillaでルビ表示2参照)
ruby { position:relative; line-height:200%; } /* ベーステキスト */ ruby>rb, /*単純ルビ*/ ruby>rbc { /*複雑ルビ*/ letter-spacing:0.2em; } /* ルビテキスト */ ruby>rt, /*単純ルビ*/ ruby>rtc { /*複雑ルビ*/ position:absolute; left:0; font:normal 60%/1 sans-serif; text-indent:0; } /*前側ルビの位置と色*/ ruby>rt, ruby>rbc+rtc { top:-1.2em; color:#900; background:transparent; } /*後側ルビの位置と色*/ ruby>rbc+rtc+rtc { top:1.4em; left:0; color:#009; background:transparent; } /*ルビ括弧*/ ruby>rp { display:none; }
設定値はお好みで。
これを"userContent.css"という名のテキストファイル(これがユーザスタイルシートになります)としてchromeディレクトリに保存すると、結構うまいこと表示できました。試しにキッズgooで表示されたルビつき頁を表示してみるとこんな感じです。→画像(24.2KB)
chromeディレクトリはMozillaディレクトリの中にあります。Mozillaディレクトリの場所は以下の通り。
- Windows NT: C:\WINNT\Profiles\(your user profile folder)\Application Data\Mozilla
- Windows 98: C:\Windows\Application Data\Mozilla
- Windows 2000: C:\Windows\Documents and Settings\(your user profile)\Application Data\Mozilla
- Linux: ホーム ディレクトリにあります。
- Mac OS: [ドキュメント]フォルダにあります。
ユーザスタイルシートを変更した際には、一旦Mozillaを再起動して変更を有効にして下さい。
このルビ表示方法にも欠点がありまして、rb,rt,rpの終了タグが省略されていると、表示が大きく崩れます。あとルビつきテキストが隣り合った場合、ルビ文字が重なることがあります。
とはいえ自分の常用ブラウザでもルビ表示ができたことにより、今までどこか他人事のように思っていたrubyタグに、急に親近感が湧いて来ました。うちのサイトでも使ってみようかな。(しかしそれにはXHTML1.1にせねばならず、道は険しい……)
→Netscape6/Mozillaでルビ表示2、Mozillaでルビ表示3へ続く。
(2001年8月19日/2002年1月18日に一部変更)
駅前にて、ギターを持った女子ふたりが『戦争を知らない子供たち』を歌っていた。その正統派フォークっぷりに思わず足を止めて聴く。
当たり前のようではあるが「『戦争を知らない子供たち』を知らない子供たち」がいるのだろうなという推測が浮かび、はっとした気分にさせられた。
そういえばこの歌を誰が歌っていたのか知らなかった。「僕らの名前を覚えて欲しい」と歌っているというのに。や、自分も学校で習って知ったもので。(答:ジローズ)
(2001年8月20日)
颱風が来た。たいふうにはやはり「颱」の字が似合うというもの。
typhoonは颱風のことだよな、と確認してみたところ、颱風/台風/typhoonの語源は諸説あるようで……
いったいどれがどれやら。
参照した頁:
(2001年8月21日)
22日にCSSコミュニティの項に『曉に死す』が載っているのを発見。光栄です。
いつも拝読しているサイトの列に自分のサイトがあるのを見るのは、なんとも不思議な心持ちです。
きのうおとといはCSSで小さい字に、表紙頁を凌ぐほどのアクセスがありました。ほんの思いつきでぱぱっと書いたものなのですが(Thanks to むらくん)。というか闇黒日記への注目度の高さを改めて実感しました。自分も度々読んでます。>野嵜さん
先日スタイルを変更した表紙をMacのIE5で確認したところ、枠がブラウザの右端まで伸びたような表示になっていた。widthを指定していなかったからと思われる。うーむ、floatを指定したブロック要素の場合と一緒で、絶対位置指定したブロック要素にwidthを指定しない場合、内容に合わせてコンパクトに表示してくれるのはWindowsのIE,Mozillaだけでのことなのか。
固定幅にするのも気がひけるが、取り敢えず表紙の枠にwidth:360px;を追加。
せめてmin-width,max-widthがIEでも使えるといいのに。ところで<table>で枠をつくると「内容に合わせてコンパクトに表示」がいとも簡単にできてしまうので、それが長い間<table>を使ったスタイルから脱却できなかった理由のひとつでありました。
(2001年8月24日)
先日書いたNetscape6/Mozillaでルビ表示に反響あり:Latest topics - outsider reflex 2001/08/24。さらに左記経由でDiary - Ancient library 2001/8/24にも。
なるほど! 自分でも先日書いた方法では単純ルビにしか効かないなーとは思っていたのだが、子供セレクタ・隣接セレクタを使うという手があったのか。さらに隣接セレクタを利用して複雑ルビにも対応してしまうとは流石。>piroさん
というわけで、既にoutsider reflexにて「Netscape 6/Mozilla でルビを表示する」としてまとめて頂いたけれども、一応自分が先日書いたユーザースタイルシートも変更。
→Mozillaでルビ表示3へ続く。
あ、さとみかんにも捕捉されてる。ミニさとみかん、利用させてもらってます。
(200年8月25日)
「1997」08/27@17:50より、「よそう」について。
…正假名で「よそふ」と書けば、「よさう(止さう)」とも「裝ふ/粧ふ(よそほふ)」とも區別出來ます。
なるほど確かに。この文へのつっこみで正字正仮名の合理性に気付かされるとは。
「にょ」と読む漢字や「にゅう」と読む漢字はあるのに「にゅ」や「みゅう」と 読む漢字は知らない。
- ニュ
- 乳
「
みゅう」は一寸見當たりませんでしたが。諸橋漢和は手元に無いし、World Wide Web CJK-English Dictionary Databaseも肝心の音訓索引が404…。
Jim Breen's WWWJDIC Serverで探してみると
が見つかりました。実際どのような熟語でこれらの読みが使われるのかが気になるところですが。
(2001年8月27日)
青空文庫で何か読もうと思い、芥川龍之介の『秋』を選んで読みまして、ひとつ気になる箇所がありました。以下、話の内容に触れます。
といっても本筋とはやや離れたところではあるのですが。ざっと説明すると信子さんと照子さんという姉妹がいて、姉の信子さんは結婚して東京を離れ、大阪へ越してしまっていました。別れる前に照子さんは涙ながらに信子さんへの手紙を書いており、信子さんは一人になるとそれを時々読んでおりました。
結婚した当初は幸せに暮らしていた信子さんですが、時々夫とうまく行かないこともあり、そんな時に泣きながら心の中でこう呼びかけるのです。
照子。照子。私が便りに思ふのは、たつたお前一人ぎりだ。
……果たしてこの「便り」という言葉は、本当に照子さんの手紙のことを思ったものなのか、或いは「頼り」のつもりで書いていたのか、それとも意図的に「便り」と「頼り」を掛けたものなのか……暫く考え込んでしまったのでありました。
ところでなぜ芥川龍之介の『秋』なのかというと、何となく「あ」ではじまる有名な作家で、「あ」からはじまる作品を選んだのに過ぎなかったりします。
青空文庫にある芥川作品では『あばばばば』も好きです。
(2001年8月30日)